一連のシリーズに対し頂いたご質問等を取り上げた「補足の回」を書きました。
ええ、また長い文章ですとも(笑)。
一連のシリーズに対し頂いたご質問等を取り上げた「補足の回」を書きました。
ええ、また長い文章ですとも(笑)。
当初の予定よりだいぶ時間がかかってしまいましたが、とりあえずこのシリーズはパート6で完結です。文章がどうもこなれていないような気もしますが、たまにまとまって日本語を書くのも修行だと思っております。
毎回長々とした文章にお付き合い頂き、ありがとうございました。
前にも書いた通り、これ以降はこちらのブログは休眠させて頂きますが、未だに検索等を通じて来られる方もおられるので閉鎖はしません。
(レシピ見つけて来る方は分かりますが、未だにジョブスのスタンフォード卒業スピーチ関連の情報を探した結果来られる方がいるのには驚きます)
自分の体験したことを時間が経ってからまとまって書く、というのは難しいものですね…。自叙伝なんてものはまず自分には書けないだろうな、などと不遜なことを考えつつ書いた5回目です。
第4回を上げました。今回は会社に入った経緯を中心に。
第三回目をアップしました。間が空いたのは日本から妹一家が訪ねていたからなのですが、いざ書き出してみたら専門用語の羅列にならぬよう+会社のノウハウ的なことはディスクローズしないように書くことにに思ったより時間がかかってしまいました。
我ながら裏話集でもなければハウツーでもなく、そしてプロパガンダでも評論でもないいささか「エッジの立ってない」ブログになっているような気もしますがあと数回は続けてみようかと思います。
なお、こちらのブログは完全閉鎖とは致しませんが、向こうのブログの更新をお伝えするだけのものとなってしまうのも何ですので、今後新規更新は無くなるものとお考え下さい。ブックマーク等も移転して頂ければ幸いです。
では良いご週末を。
続きを書いてみました。
Yahoo! Search Blogに掲載されていた、同社のビジネスでベロップメント担当者による「Yahoo! Searchと提携したい(そしてあわよくば買収されたい)人のための効果的コミュニケーション法」という資料。
リンク先のこのエントリ内にあるJoel's Caltech/MIT Presoというリンクをクリックするとパワーポイントが出ダウンロードされます。「どういう文面で、どういう風にコンタクトして欲しいか」を記載しているだけの短いものだが、「最低限こういうことを盛り込んで欲しい」というページはYahoo! だけでなく(またIT業界にも限らず)他企業との提携を仕様とする場合のコミュニケーション上重要なポイントを盛り込んでいるように思う。
Seth Godinのブログで知ったのだが、Gilleteが5枚刃のカミソリを発表した。名付けてFusion(リンク)。
私はずっと同社の安全剃刀を愛用してきた。髭の濃い私は大人になってからはひげ剃りにかかる時間の短縮と剃り経験の快適さをひたすら追求して来た、と言っても良い。色んな会社のカミソリ、電動カミソリ、そしてシェービングクリーム(orフォームorジェル…)を試して来ている中で、こと安全剃刀に関してはGilleteにかなり早い段階で落ち着いている。今はBraunの7000シリーズという電気剃刀で済ます日もあるが、ちゃんと剃りたい時はGilleteのMach 3である。シェービングクリーム(orフォームorジェル…)はまだ色々試している最中だが。
(ここで注意:G社の製品サイトは「うっとうしい」Flashを多用しているので、クリック時には覚悟を。TypePadと同時に開けるとFirefoxが考え込んでしまって結局強制終了、という羽目に陥った)
話をGilleteに戻すと、同社のカミソリ、2枚刃…3枚刃、と刃を増やして来たところまではまだ追加的なベネフィットもあったと思っているのだが、3枚刃の派生品で潤滑ジェルだの起毛に役立つ「ひだ」のようなものを取り入れたMach3Turbo、そして刃を電池で微妙に震わせる仕掛けを取り入れた(をいをい)M3Powerからはさすがの(ことひげ剃りについてはEarly Adopterである)自分にとっても付加的な効能があるとはとても思えないような機能追加としか思えず、値段も上がる一方で「やっとれんわ」と思って試すことすらしていなかった。
ちと陳腐化した話を持ち出すようだが「イノベーションのジレンマ(とその続編)」的に言うと、これこそユーザーのニーズに対する「オーバーシュート」である。平均的なユーザーが求めるような性能を遥かに越え、しかも値段は上がる一方。というか、ひげ剃りに関しては平均以上のスペックを求めるこの自分が「こんなのいらんわ、安くせい」と思うのだからこれはもはや「ハイパーシュート」とでも言うべきか。
(ここでは「イノベーションの…」についてはラフな解釈となっています)
クリステンセン本だと、ここでGood Enoughの性能を持ち、比較的廉価なdisruptive製品が登場する、といったことになる。果たしてそれは何かな、とざっと考えてみたのだが、電気剃刀はひげの剃り具合に関して言えばGood Enoughとも言えるが、剃り具合が安全剃刀に敵わないまま別の方面で「オーバースペック化・高価格化」が進んでいるのようにも思えるのでdisruptiveではないように思える。
そうなると、本当の意味でdisruptive足り得るのは、顔に塗れる脱毛クリームのような製品ではないだろうか?使った経験はないのであくまでも想像ベースでどんな製品になるかを考えれば:
*そのままでは顔に塗るには強すぎるので、少し弱めの成分にする
*完全脱毛をめざすのではなく、安全剃刀などできちんと剃ったあと数日間、洗顔前に軽く塗り、洗い流すだけで「髭の伸びた部分だけを溶かす」ような作用をする(メンテ程度の性能=Good Enough)
*ひげ剃りに費やす手間の削減とトータル時間の削減を追求する
*値段は普通のシェービングクリーム、etc.よりは高いが3ヶ月単位では替刃コストより安く上がるように設定
といったところか。「ひげ剃り」という"job" を「毎朝つるつるにする」ではなく、「見苦しくない程度に、最小限の手間で維持する」というフレームで捉え直すわけである。
以上は半分冗談の思考実験であるが、Gillete社の戦略を見ていると、どうにも「大丈夫かい、こいつら」と思わせてくれる。
比べてアップルはiPod shuffleそしてnanoを見ると「オーバーシュート」とは逆方向に向かっているのかな、とも思う。nanoに至ってはGood Enoughの性能に落ち着かせる一方で、「薄さ・軽さ」というベネフィットを追加すらしている。
そんなことをざっと考えたので、本日のタイトルはFusion vs. Nanoとさせていただいた次第。
こんどJTPAでこんなイベントを司会します。少人数で集まってお互いの持つレジュメの書き方ノウハウを共有し、互いに添削もして密度の高いディスカッションをしよう、というのが狙いです。
私も別にレジュメの権威、というわけでもないのですが、自分自身のをこれまでに何人にも見てもらいながらいじりまわした経験と、キャリアワークショップやカウンセリングの時に聞いた知識、そして採用する立場にたって「見る側の心得」的なものをちょっと学んだりもしたのでそれを提供したいと思います。
応募方法などについては、上のリンクをご覧下さい。今日募集開始したばかりです。
で、ここでちょっと文体を変えて…。
レジュメ、といえばその次は面接であるが、そこでExciteの共同創業者であったJoe KrausのBnoopyというブログにあった"Engineer Interview Triage"というエントリに、起業家が採用面接時に手っ取り早くエンジニアの質を見分けるために使う質問が列挙されていたのを思い出した。言うまでもないが、これらの質問は著者が「どういう奴が欲しいか」を端的に表している。
Do you have a blog?
If someone has a blog, you know that they are starting to make communications and writing part of a basic set of habits. You know they value those habits enough to make time for them. A public blog improves the odds that the person sitting across from you (who has great coding skills) can also effectively advocate their ideas both inside and outside the company.
ブログを書いているエンジニアはコミュニケーション能力に優れているか、または人に自分のアイディアを伝えることに価値を見いだす(=独りよがりでない)人物である。
What's your home page?
I think the trait indicated by making your own home pages is that the person is a "tinkerer". Tinkerers are great inside companies. They're curious. They're often not quite satisfied with the status quo and doing things the way others do. They're the ones that aren't often satisfied with the way your company is doing something. But, rather than complaining or asking, they go ahead and just fix the problem.自分のホームページを持っているエンジニアは「人が提供するもの」「ありもの」に満足せず、自分の興味とニーズに応じてあれこれ工夫するタイプである。
Do you contribute to an open source project?
Besides the obvious benefits of being able to review someone's open source code for quality, design patters and architecture decisions, contributing to an open source project has a strong correlation to the person being passionate about code.オープンソースプロジェクトに参加しているエンジニアはその仕事の内容・質を見ることができるばかりでなく、良いコードを書くことに情熱を持っていると言える。
この3つの質問、煎じ詰めてみれば「コミュニケーション能力」「向上心・意欲」「仕事に対する情熱」と、プログラマーだけでなく他分野のエンジニア、それにエンジニア以外の(いわゆる文系)仕事でも重要な事柄である。もちろん、訊き方はそれぞれの職種によって変わってくるのだが。
【追記】Ask Naotake!今日はダブルで回答です。
先日書きかけの感想エントリを失ってしまったと書いた"Beyond Bullet Points"であるが、著者のCliff Atkinsonには別途メールで感想を送ってあった。その返事に「ブログに使って良いか?」とあったので「どうぞ」と答えたところ、今日見たらほぼ全文がCliffのブログに掲載されていた。題して"Beyond the Japanese Bullet Train"。
ここでCliffのブログをちょっと補足すれば:
When I was asked to speak to a a group of Japanese college and graduate school students who were visiting Silicon Valley
とあるのはJTPAのシリコンバレーツアーではなく、その翌週に開催された鹿児島大学ベンチャービジネスラボラトリーのシリコンバレー訪問ツアーである。「セミナーを」と依頼されたので、自分が今日に至るまでの話をしつつ自分がシリコンバレーそしてベンチャーのどういったところに触発されたか、また初日の、一番最初のセミナーだったので「これからツアー中にどんな事を見て欲しいか」といった話をすることにしたのだが、そこで画面に映し出す資料にBeyond Bullet Pointsのアプローチを適用してみた、というのが背景である。
そのアプローチ、Beyond Bullet Points(ブレットポイントを越えて)のタイトルが示す通り、パワーポイントを「画面に映し出され、話し手に読み上げられる(そして聴衆の手元にそのまま配られる)報告書」作りの道具としてではなく、何かのアイディアを聴衆に訴えかける「物語」をビジュアルに伝える(あたかも映画のように)ためのメディアとして使おう、というものである。
同書ではプレゼンテーション作成を「映画製作」のアナロジーを用いている。まず始めに伝えたい「ストーリー」が作られ、そのストーリーを伝える「シナリオ」が書かれ、そしてパワーポイントを使ってそのシナリオの各シーン、カットが「撮影」されるのである。(「シナリオ」を書くためにCliffが作成したMSワードのテンプレートとその使い方も本書に書かれている。)
と、そんな本書を読んだ私も、この機会に画面に映し出されたものを読んだり、説明するという形の「情報を伝達するプレゼンテーション」ではなく、映画における「映像と音声」のように一体となって「物語を伝えるような」ものを目指したのである。1、2枚読み上げ型のスライド(誰かの発言の引用など)もあったが、それはそれで意図があったものであった。
一例をご紹介すれば、これは自分のバックグラウンドを説明するのに使ったスライドであるが、これを見せつつ「自分は人生の40%をアメリカで過ごして来ました」と言ったのである。(このスライドはCliffのブログにも掲載されている。)
次に「そして社会人生活の3分の2をアメリカで働いて来ました」と、(ここには載せないが)日米の旗の比率を変えた同じスライドを見せたのである。
とまあ、見る側からすれば「とんでもないアメリカかぶれ野郎」のプレゼンに思えた事であろうが、米国到着初日の、時差ぼけと戦いつつある参加者諸氏を眠らせずに済んだかな、と思う。その後聴衆の方から聴いたフィードバックも「独特で印象に残りました(特に上の国旗のスライド)」というものだったので初めてこのアプローチを使ったにしては上出来かな、と思っている。
"Beyond Bullet Points"のアプローチ、いかなアメリカとはいえ、全てのシーンで活用可能なものかどうかは個人的に疑問である。特に仕事の場で「報告」をする場合には聴衆によっては拒否反応を起こされる可能性もあるかな、と思う。(Cliffはそういった場合、「報告書は」手元資料を配ることを薦めてはいるが聴衆によってはそれでも前に同じものが映し出され、「説明」されないと納得しないだろう)
とはいうものの、「聴衆を引き込み、飽きさせない」プレゼンテーションをする上で本書のアプローチは有効なものだと思うのでこれからも機会を見つけては取り入れたいな、と思う。今回のプレゼンは読んだばかりのことを実践する良い「実験」であったと思う。(学生諸氏は「実験台」だったということになってしまうのでいささか失礼かな…。)
とまあ、そんなことをCliffにも書き送ったのである。
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