Sotto Voce: Whereness and Whatness

7.1.2006 - 1.31.2012 (Part 3)

第三回目をアップしました。間が空いたのは日本から妹一家が訪ねていたからなのですが、いざ書き出してみたら専門用語の羅列にならぬよう＋会社のノウハウ的なことはディスクローズしないように書くことにに思ったより時間がかかってしまいました。

我ながら裏話集でもなければハウツーでもなく、そしてプロパガンダでも評論でもないいささか「エッジの立ってない」ブログになっているような気もしますがあと数回は続けてみようかと思います。

なお、こちらのブログは完全閉鎖とは致しませんが、向こうのブログの更新をお伝えするだけのものとなってしまうのも何ですので、今後新規更新は無くなるものとお考え下さい。ブックマーク等も移転して頂ければ幸いです。

では良いご週末を。

BBQ Kalbi Tacos on a Truck

LAで人気の「カルビタコス」のトラック販売（LAのサイトへのリンクはこちら）がベイエリアにも登場しました。トラックで移動しつつ低価格の食品を販売する、というビジネス自体はかなり以前からあり、建設労働者相手のメキシカンタコストラック（なぜか昔の日本の暴走集団のように「ゴッドファーザーのテーマ」を鳴らす）やハンバーガー、ホットドッグのトラックなどは良く見かけますが、最近参入してきたこのカルビタコストラック、いろいろ面白い事をやってくれています。

以下、私の推察も交え列挙すれば：

• 出現場所とスケジュールをウェブサイトに表示するにとどまらず、Facebook/Twitterを頻繁に更新し、「今ここにいるよ」等をユーザーにリアルタイムで発信すると共に、リツイート等による口コミ効果を狙う
• お客の集まりそうなロケーションに出向くにとどまらず、お客の要請にも応えて出動する（そしてそれをウェブで発信することにより、要請したお客以外の客も取り込む）、と「客のところに行く＋客に来てもらう」をニーズを見つつ機動的に使い分けるというレストランには絶対できない技を使う
• 仕込みさえしておけばトラックで低コストで「数をこなす」ことが可能なタコス（そして派生品のブリトー）という料理を、プルコギ等の韓国焼き肉を載せた「フュージョン料理」「安くて旨いグルメフード」としてポジショニングする
• トラック販売という初期投資が少なくて済むオペレーションに加え、メニューを絞り込んでランニングコストも低く抑える（お客からすれば「便利なところに来た時に食べれば良い」ので、メニューが限られていても飽きられにくくなる）
• そしてもちろん、トラック自体にFacebookやtwitterのアカウントを記すことにより、宣伝媒体にする

私などはこの最後の一点にひっかかったようなものです。以前からLAで上記のカルビタコストラックが話題、と聞いていたのですが、先日Palo Altoで用事を済ませていたおりにベイエリア版のトラック（サイトはこちら）を見かけ、「あっ」と思ってその場でトラックに書いてあったtwitterアカウントをiPhoneから早速フォローする、という我ながら妙に「ベイエリアっぽい」行動に出てしまいました。

そしてその翌週、勤務先から車で５分ほどのビジネスパークにトラック出没、というtweetを見て食べに行きました。早めの時間に行ったにもかかわらず既に冒頭の写真のように行列していました。

メニューは以上の通り。オーダー風景の写真はこちらです。タコスはタコ皮に焼き肉とサンチュだけ乗った状態で出てくるので、写真にもちょっと写っていますが、用意されているキムチ（結構旨い）とキュウリのスライス、そしてソース類でお好みの味付けにして食べる、という仕組みです。ブリトーがどうなっているのかはオーダーしている人がたまたまおらず、確認できませんでした。

さて、能書きはこのくらいにして、肝心のタコスですが…

旨かったです。カルビ（実はプルコギ風）タコス２つと、スパイシーな味付けの豚肉Daejeeのタコス１つでトータル＄６と大層リーズナブルでした。キムチ等もたっぷり載せたのでそれなりにバランスの取れた昼食になったと思います（笑）。

このカルビタコストラック、「スケーラブルなイノベーションで大向こうを唸らせる」この辺りのビジネスとは対極にある、「テクノロジーをリアル世界で上手に使うスモールビジネス」ですが、それゆえ贔屓にしたくなる魅力を持っています。「親しみやすさ」というのですかね。こうしてついつい書いてしまいたくなる、というのがその証左かも。

むろん、肝心の食べ物が美味しくなければいくら運営方法が面白くてもしょうがないのですが、実際美味しく、ランチの選択肢としてかなりの優れものなので、今後もひいきにしたく思います。

（LAの業者と、ベイエリアの業者の間の関係の有無は確認できませんでしたが、どなたか詳しい方がおられたらご教示ください…まあ、今度食べに言った時に聞けば良いか）

You 2, IBM/Lenovo?

今度はLenovo/IBMのバッテリもリコール、だそうで…

会社支給のラップトップPCがThinkPadなのでビビりつつ早速調べたら拙宅のPowerbookの時とは違い、今度は大丈夫でした。

そういえばPowerbookのバッテリ、申請してからもう一月経過しました。4 to 6 weeksと書いてあるので、まあそろそろかな、と思って気長に待っております。

Et tu, Apple?

デルに引き続きアップルもバッテリのリコールだと。（NY Times）ま、昨年もあったので珍しい話ではないですが。アップルのサイトを見たら、１２インチのPowerbook搭載のバッテリーも対象ですと。

これは家に帰って見なければ。もっとも、昨晩家でソファに座って作業していたときはさほど熱さも気にならなかったのでまあ大丈夫だとは思いますが。

本件につき同僚と話していたら"Isn't Sony （バッテリーの供給元）the flagship of Japanese high quality electronics?"と聞かれてしまいました。それに対して「3年保障付きならぬ、３年故障付き」という話をして返しました。

そう書くと「英語でどう言ったの？」と訊かれそう（訊かれない？）なので、ポッドキャストとかぶりますが、

"Sony's known for a 3-year warranty... to break."

と言いました。

久々ではありますが、ぜんぜん大したエントリではないですね。でもこのタイトル（参考）が使いたかったので…と書いたところで、2年前にも使っていたことを思い出しました。お粗末。

Experiment Idea

以下は妄想、というか公開ブレーンストームみたいなものです。

Ask Naotake!のほうでこんなエントリを書いたからというわけではないですが、こんなことやったら面白そうかな、というアイディア。

• 何かテーマを決め、不特定多数の人からそのテーマにまつわるビデオ（３分以内）を募集する
• ビデオがそこそこ（例えば10本）集まったところで、その全てを「ソース」として提供者全員で共有
• 提供者それぞれが各人の裁量と趣味嗜好でソースを切り貼りし、10本の「作品」を作成
• BGM、テロップ、ナレーション等は各人が自由に付加できる
• 最後に出そろって来た10本をウェブで公開し、視聴者のリアクションを見る

映像素材は皆共通でも、「切り貼り（マッシュアップ、と言っても良いかも）」だけでどこまで各人の個性を反映した、多様なクリエイティビティが発現できるか、どれほど「面白い」ものができるか試してみたい、という狙いです。落語で言う所の三題噺と通じるものもあるかも。

また、ここまではやらなくても、あるテーマにまつわる２、３分の掌編ビデオを何本も集め、その映像そのものはいじる事無しに順番やナレーション、切り替わり時の効果等に工夫を凝らして一本の短編映画を作る、ということも可能かもしれないですね。最終成果物は「グレン＝グールドをめぐる32章」（結構好きです、この映画）みたいなイメージ。

ソース映像は、報道映像風あり、取材・インタビューあり、寸劇あり、と何でも、フォーマットも何がしか使い勝手の良いファイル形式にさえなっていればデジカメの動画機能でちょちょっと撮影したものから本格的な音声録音機能付きのビデオカメラで撮影したものまで何でも、と縛りを付けずに、誰でも気楽にネタが提供できるようにする、と。編集は皆できるものではないかもしれませんが…。それとも参加する人はある程度そういう世界に興味もあり、道具もある人ばかり、になってしまうかな？

よっぽどテーマが興味深いものでないと盛り上がらないかもしれませんね。一瞬「自分の思うシリコンバレーを表す映像」を集めて「シリコンバレーをめぐる32章」なんてもじり（パクリ？）を考えたけど、それだとアピール度は低いかも。何かの社会的イベントをテーマにして、そこに参加した人の映像を集める、というのはやりやすいかもしれないけど、それだと普通のドキュメンタリーっぽいものしかできないかもなあ…（どっかでそういうの見たような気もするし）。

…と妄想は膨らむわけですがこういうの呼びかけて乗ってくる人っているかな？今の所実行の予定は無いですが、上に色々付け加えて膨らませてくれる人が出てくれば嬉しいな、と。

ところで話は全く変わりますが、来週の火曜日から数日間東京に滞在することになりました。急な話です。行ってからの具体的な予定はまだちと不透明なのですが、それこそどこかで旅先ポッドキャストでもやってみたいな、と思っています。もっとも、また空手形に終わるかもしれませんが…。

Tim O'Reilly Commencement Speech

Tim O'ReillyのUC Berkeleyのとある学部での卒業式でのスピーチ全文がここに掲載されています。Web 2.0とは、といったことについてだいぶ時間を割いていますが、最後は生き方論のようなものを説いて終わっています。

Money is like gas in the car -- you need to pay attention or you'll end up on the side of the road -- but a well-lived life is not a tour of gas stations!

「お金はガソリンみたいなもの。（どうやって手に入れるかに）注意を払わなければガス欠で道端に止まるはめになってしまうが、人生がガソリンスタンドからガソリンスタンドに行くだけになってしまってはつまらない。」

うまいこと言いますね。

Podcast Search Technologies

ポッドキャストを聴いていただいている方から良く受けるのが「エピソードが増えてきたのでそろそろ内容検索とかできると便利ですが、音声って検索できるんですか？」という質問です。

つい先日までは「まだできないんじゃないかな」と答えていたのですが、Wiredのこちらの記事を呼んだら、既にいくつかのポッドキャスト内検索サービスが登場していました。

どれもまだ日本語には対応していないようですが、その内の一つPodzingerに至っては検索したキーワードの出てくる箇所の「頭出し」までできるそうです。（そうです、と書くのはIE5.0+RealPlayerという組み合わせでしか再生できないためです…）確認できないのに言うのもなんですが、「これは便利」。

もう一つのblinkxというのはエピソードには頭出し機能はありません。でも、ワイナリー名の"David Bruce"を入力したら、ちゃんと"A Guy, A Girl..."（このキャストについてはこちらで語っています）がトップに出て来ました（Podzingerの結果だとトップではない）ので自分にとってはrelevanceは高い結果を出してくれます。ちょっとUIがイヤだけど。

もう一つこの記事で紹介されているのがpodscope。これも「頭出し」してくれていますね。

どのサービスも結構前からあるspeech-to-textテクノロジーを使用しているようです。こうした技術を持っていた会社が、ポッドキャストの普及により検索対象となるコンテンツが増えたため、サービスとして、ビジネスとしての展開可能性が拡大したのでしょう。

もうちょっと遊んでみて使い勝手などを判断したいと思います。

さて、ここのところビデオばかりでAsk Naotake!ポッドキャストが途絶えているとお嘆きの方（そんな人いないか）へ、15回目を先程アップロードしました。

今更、という気もしますがここでキャストの聴き方など：

ウェブサイトから聴く場合はこの"Try"というボタンをクリックして下さい。

iTunes経由で購読（購聴？）される方はこちらのアイコンをiTunesへDrag&Dropして下さい。

RSSフィードはこのアイコンをクリックすると表示されます。

Transcript from Ken Lunde's Seminar

５月末にKen Lunde氏をお招きし、法政大学の東京キャンパスとシリコンバレー事務所双方に合計100人以上を集めて行われた「CJKV 日中韓越情報処理」のセミナーで使われた資料と、当日の講演を書き起こしたものがJTPAのサイトにアップロードされました（リンク）。

書き起こしは法政大学の八名先生によるものです。英語ですが、プレゼンテーションの各ページごとにLundeさんが話されたことが記録されていますので、お越し頂けなかった方にも臨場感を味わっていただけるのではないか、と思います。

RSS to PDF Conversion

RSSフィードをPDFに変換してくれるサイト。ニーズがどのくらいあるのかは良くわからないが（defeats the purposeという表現がぴったり来るような…）、面白いことは面白い。こちらのブログでは、

I still can't think how I'd use it, but I know people who have someone print their e-mail out for them who might find it useful (or, at least their administrative assistants might). Does anyone know of a service similar to this that could convert a set number of blog posts into an html/e-mail format? I can see how that might be helpful to those who want to subscribe to a blog via a daily or weekly or other regular recurring form of e-mail rather than an RSS feed.

と「自分が普段読んでいるブログを何個もまとめて自動的にhtmlないしメールに変換してくれるサービスはないものか？」と書いている。何が書かれていようと一言一句、全て読みたいブログがいくつもあるのならば、確かに便利かもしれない。

試しに私のブログのフィードを変換したところ（結果はこちらからダウンロード可能）、日本語対応が上手く行っていないようで???だらけになってしまった。どなたか直せませんかね、これ？

90+ minutes with Adam Curry

長いけど、とても示唆に富んだインタビューのポッドキャスト(IT Conversations)。

ラジオオタクだった少年時代からラジオのDJ、MTVのVJそしてネット起業家へと転身を繰り返したCurryがどのようにしてPodcastと出会い、その主導的推進者になったかについて語った後、ポッドキャストの持つ様々な可能性・課題について語っている。

Curry節全開、聴いているこっちにもエネルギーが伝わってくる。こういう人こそevangelistの名に相応しい。