ジャマイカの名物、スパイシーなジャークソースを使ったチキン料理です。
ジャーク料理、以前現地で食べすっかりはまり、またベイエリアでもメンロパークにジャマイカ人シェフが経営する旨い店を発見したので結構な頻度で食べておりますが、ついに自分で作ってしまいました。しかも、友人の誕生パーティがバーベキュー形式だったのを良い事に、そこにこの初挑戦の料理を持ち込んで焼き、皆さんに実験台になって頂いた次第です。
ジャークソースは「ジャークスパイス」という呼び方をされることもありますが、そういう名前のスパイスの木や実が存在する訳ではなく、各種香味野菜とスパイス、そしてスコッチボンネット(あるいは近縁種のハバネロ)という激烈に辛い唐辛子を摺り下ろして混ぜ合わせたものです。特にオールスパイスとスコッチボンネットは、これ無しではジャークでは無い、という必須アイテムです。
今回スコッチボンネットは入手できなかったので、ハバネロを使いました。刻んでいる最中に濃縮された唐辛子の刺激臭が立ちこめるぐらいの辛み成分を含んでいるので、取り扱いには劇物並みの注意が必要、というのは大げさですが、手袋は必須です。
さてジャークソースの作り方ですが、技が要求されるようなものではなく、以下の材料を揃えるのと刻むのに手間がかかる程度です。
タマネギ…大2個、細かく刻む- 青ネギ(当地でいうグリーンオニオン)…2束、先端の青いところを除き、刻んでカップ1杯半ぐらい
- ショウガ…摺り下ろして大さじ4杯
- ニンニク…細かく刻んで大さじ3杯
- タイム…つぼみの部分のみ、刻んで大さじ2杯
- 黒砂糖…大さじ2杯
- お酢…カップ半杯
- オールスパイス…粉末、大さじ2杯
- クローブ…潰して大さじ一杯
- ナツメグ…粉末、大さじ一杯
- シナモン…少々
- 醤油…大さじ一杯
- 黒コショウ…粗挽き、大さじ2杯
- 塩…大さじ一杯
- ハバネロチリ…2個を刻む
以上をフードプロセッサーで、ペースト状になるまですりつぶすだけです。ジャマイカ料理なのに醤油を入ているのは、参考にしたいくつかのレシピで使われていたのと、これまで実際に食べて美味しかったものにそこはかとなく醤油の旨味が感じられたからです。なおスパイス類はものの本では他にもカイエンペッパーやコリアンダー等が上げられていますが、これらは入れすぎるとジャークらしさが薄まるような気がします。
仕上がりはこんな感じです。ハバネロの強烈な辛味と黒コショウ、ショウガ、ニンニク、青ネギの刺激にオールスパイスの複雑さが加わったところに砂糖、タマネギの甘みでバランスを取り、醤油が奥行きを出している、といったところでしょうか。
このソースをライムの絞り汁と水を半々ぐらい混ぜたものにつけておいた鶏肉(もも肉とドラムスティックが良い)と合わせ、ジップロックのビニール袋に入れ(ボウルでも良いのですが、バーベキューに持ち込むことを想定しジップロック使用)、冷蔵庫で一晩、時々ひっくり返したり袋の上から揉んだりしながらつけ込みました。
さて翌日、このつけ込んだをバーベキュー会場である友人宅の裏庭に持ち込んで焼きました。ジャークは炭火で焼き、ジャークソースを焦がすようにするのがベストの調理法(家のオーブンやフライパンで焼くといまいちです)なので、早速火をおこしました。ジャマイカではオールスパイスの木をチャコールに加えて焼き、さらに香りをつけるそうですが、今回は某ワイナリーで分けてもらったピノノワールのツタを代わりにしました。
そしていよいよチキンを焼きます。
時々ジップロックに残ったソースを補ってやりながら、じっくりと香ばしく焼き上げます。
最後は以下のように仕上がります。
初めて作る料理、しかも一歩間違えれば辛すぎて喰えない、という悲惨な結果にもなりかねませんでしたが「辛いです」と断った上で召し上がっていただいた参加者の皆様(誕生日の主賓含む)にはとりあえずご好評を頂きました。辛味は強いものの、後に残らない爽やかな辛さと、スパイスやネギ類の焦げた味が鶏肉に染み渡り、実に旨味たっぷりの仕上がりでした。
ただし、黒コショウとハバネロがちょっと控えめだったのと、使った鶏肉が「良すぎた(脂が少ない)」ため、本来ものすごく庶民的な道ばた料理であるジャークがいささか上品になってしまったきらいはありましたので、次回はもうちょっと下品さを出したく思います。
Recent Comments