昨年(というほど前でもないが)書いた、「For Those About to Blog」で取り上げた、「仕事がらみ」の内容のblogを書くことについて、Doc Searlsのblogで、今日のBoston Globe紙に掲載されたエッセイを発見。
マイクロソフトの契約社員のクビ事件、Scobleizer Weblogの話と、内容的にはかぶるところもあるのだが、Macromediaがblogをマーケティングに積極的に活用している、という話は初耳であった。今日現在で、社員がある製品について外部と「対話」する16のblogがある、とのことである。
どんなblogがあるかについては、同社の主力製品であるMXについてのblogにリンクが貼られている。
Macromediaのblogについては、既に2002年9月の時点でこんな記事が書かれている。(また不勉強を露呈してしまった)これを読むと、当時は個人が会社の認可のもと外部のホスティングサービス上でblogを運営してもいたようだが、今は同社の運営するサイトに集約されているようである。
話をBoston Globeのエッセイに戻すと、こちらでは「仕事について書く」社員blogの利点について論じたあと、そういったblogの書き手に対し、「自分の書いたモノがのこるばかりでなく、Googleなどの検索エンジンによって簡単に見つけられてしまうことをふまえよ」と警告している。
That means that years from now, an injudicious comment published on a blog can come back to haunt the author if a prospective employer comes across it.
(「injudicious」とは聞き慣れない単語であったが、「思慮を欠いた」という意味であった)
怖いのは検索エンジンだけではない。Social Networkingの領域においても、企業が自分のマーケティングや採用活動に使うという明確な目的をもって社員の持つ社外ネットワーク内の個人に関する情報をWeb上で収集し、分析することを可能にするSpokeのようなサービスも登場している。
そんなサービスが普及すれば、自社の機密情報を暴露してクビになる、という危険性だけでなく、自分がある会社の製品について何の気なしに書いたコメントが、その会社に自分が雇われそうになった場合、「ダメ出し」の材料になることもあり得るのである。あるいは、コメントの内容によっては「思慮分別を欠いた人物」として就職活動に不利になることもあり得る。
(その一方で、Scobleのように、blogに書いたマイクロソフトに対する意見がきっかけで同社に招かれた、というケースもあるので、要は書いた内容の正当性、論理性によるのか。)
あらゆる情報がインターネット上で入手可能になるということは、裏を返せば自分がインターネット上に「出している」情報を誰もが入手できる(しかも、それがますます容易になっている)、ということであることを忘れてはいけないのだな、と思う。しかも、自分だけなら良いが、Social Networkingにより、自分が誰とつながっているか、そのつながりの性質はどのようなものか、つながった対象の人物はどういう人か、まで知れ渡るようになる世の中が来ようとしているのである。
そういう世の中が住みやすいか、住みにくいかは、簡単に結論がでないような気がする。
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