
またもやNY Times掲載のMark Bittman氏のレシピに触発されて作りました。深めの鍋で、チキンから出る煮汁と、野菜の水分が混じり合い、野菜に味をつけると共に鶏肉にも野菜の味を移しつつジューシーさを保つ、という仕掛けです。材料さえ下ごしらえしてしまえば後はオーブンの中で煮焼きにするだけ、という時間はかかるが手間はさほどかからない料理です。
- オーブンにオリーブ油をひいた鉄製の大きな深鍋(いつものロッジ社製のものです)を熱しておく
- 丸ごとのチキンを洗い、水気を拭き取った後にオリーブ油を塗り、塩コショウをなすりつける
- お腹の空洞の中にニンニク数カケとハーブ類(生オレガノと乾燥したローズマリーを使いました)を詰める
- 十分に熱された深鍋に胸肉を上にしてチキンを入れ(写真)、フタをしないでそのまま焼く→チキンが鍋の壁面に接すれば、その部分が香ばしく焼けるので歓迎
- チキンを焼き始めたらカブ(Turnips)とニンジンの皮をむいて少し大きめに切っておく
- チキンに少し色がつき始めたら、胸肉の上に切ったベーコンを並べる(写真)→胸肉の乾燥を防ぐのと、ベーコンの香ばしい味を全体につけるためです
- ベーコンが焼け、鶏肉に火が回りつつある状態で鍋を一旦オーブンから出します。(上の写真)
- チキンの周囲にカブとニンジンを、隙間をすべて埋めてしまうように入れ(写真)、オリーブ油を少々かけまわし、今度はフタをして鍋をオーブンに戻す
- 途中で様子を見て、野菜に火が通っているかを確認し(写真)、時々鍋をゆすって鍋底に溜まった肉野菜汁を全体にかけ回す→熱いので注意
- 途中で10分程度フタを外して天火で焼くとチキンにいい焼き色がつきます
- チキンに火が通ったら(温度計を使うと楽)鍋から取り出し(写真)野菜を鍋に残して(写真)フタをせずにさらに10分ほど天火で加熱し、汁を煮詰めるとともに野菜に焼いた風味をつける
- 野菜にいい焼き色がついたら(写真)チキンの周りに盛りつけ、上から焼き汁をかけまわして出来上がり

元レシピとの違いは(1)ニンジンを使った(2)チキンにハーブ等を詰めた(3)ベーコンで風味をつけた、の3点です。野菜に鳥の味が染み込んで、ベーコンの香ばしさと相まってついつい野菜を先に食べ尽くしてしまいましたが、鶏肉もハーブの香りと野菜の風味が染み込んでしっとり焼き上っており、実に美味でした。
通常のローストチキンのようにタマネギやセロリを使うと、この作り方の場合はそれらの臭いが強く出過ぎてしまうと思われるので、避けたほうが賢明でしょう。また、鳥自体と野菜から水分が出るのでワイン等を補う必要もありません。
この料理には、先日とあるワイン屋で試飲して以来すっかりはまってしまったオーストリアのGrüner Veltliner(グリューナーヴェルトリーナー)という同国固有のブドウで作った白ワインを合わせました。
そういやオーストリアワインといえばかの昔ジエチレングリコール混入というスキャンダルがあったな、などと思い出しもしましたが、この事件以降、国をあげてワインの品質向上に取り組んだこと、また若手のワインメーカーがこのブドウやリースリングを使い、辛口の、フランスやドイツの高級白ワインに負けない味わいのものを作ろうと努力したこと、などが相まって近年では実に良いワインが産出されているようです。このテイスティングも、そうした若手のワインメーカーが自らオーストリアからやってきてワインを注ぎつつ訛りの強い英語で説明してくれる、というイベントでした。
このグリューナーヴェルトリーナーの味ですが、透明度の高い色合いに、少し刺激のある香りがして、口に含むと辛口というよりは硬質の、酸味と「青いブドウの味」とミネラルっぽい風味です。ハードボイルドな味、とでも言うのでしょうか、このローストチキンのようなそれほど癖の無い、穏やかな味の料理とはとても良い組み合わせでした。
日本酒でいうと、シャルドネを大吟醸とすれば、こちらは純米辛口の生酒、という感じでしょうか。出会ってからこれまでに飲んだ数本はどれもこうした特徴を共有していました。シーフードよりはチキンやポークに合うワインだと思います。
まだ数本しか飲んでおりませんが、ひさびさに「開眼した」気分にさせてくれるワイン、普段飲むローテーション入りさせたくなるようなワインに出会ったような気がします。








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