まだ30分番組を録音できる感じがしないので、ポッドキャストはお休みを続けさせていただいておりますが、書く方はちょっとずつ復活しようかな、ということで、今日はタイトル通り、新作007映画「カジノ・ロワイヤル」について書かせて頂きます。
(ブランクがあると映画評書いてリハビリ、というパターンがあるような気もしますが…)
またいつもの通り、具体的なネタバレは避けますが、先入観無しに観たい方は読むのをお控え下さい。
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007映画はこれまで公開されたものは「オクトパシー」を除けば全て観ており、しかもここ数作はしっかり劇場にまで観に行っております。毎回見終わった後に「寅さん並みのマンネリ」とか言ってはおるのですが、観ている間は結構楽しんでしまっているので、まあ「ファン」ということになるのでしょう。
そんな私ですが、結論から申し上げればこの「カジノ・ロワイヤル」、「破調」の一作となっていますが、素直に、非常に面白い映画だと思います。
007ジェイムズ=ボンドといえば行動様式、ストーリー展開等でかなりイメージ・パターンが固定されているのではないかと思いますが、本作ではそういった「お約束」的なものをかなり意識して崩しています。どう崩しているかを書き出すとそれこそネタバレは回避できないので、具体的な事を書くのは止めておきますが、007映画の「パターン」として長年確立されて来た、世界征服を企む大悪人が出て来て、最後の山場はその悪人の秘密基地でのドンパチ、といういつもの流れを想定して行くとかなり「あれれ?」と思う事は間違いないでしょう(ちなみに悪役の行動、かなり小ぶりで、セコいと言っても良い位です)。
本作からボンド役を演じるダニエル=クレイグですが、以前この映画に言及した際には(こちらとこちらで)「違和感がある」といったことを書いてしまいましたが、確かに直近のボンド役者ピアーズ=ブロスナンとロジャー=ムーア、そして後期のショーン=コネリーの演じる「洗練されたスーパーヒーローとしてのボンド」とはだいぶイメージが違いますが、本作ではジェイムス=ボンドを「正邪が白黒で塗り分けられない世界に生きるタフな男」と規定しているので、そのコンテキストの中ではクレイグ版ボンド、ぴったりハマっていました。最初はそれでも「どうかなあ」と思ってはいたのですが、最後は「カッコイイじゃないか、こいつ」と思うようになったので、私としてはこの配役は大正解だったと思います。
但し、これでクレイグ版ボンドがずっと定着して何本も作られるようになるかは少し疑問です。「人間臭いボンド」という路線は本作品のようにシリーズを殆ど「リセット」してこれまでの作品とはずいぶん断絶した作りになっている場合は良いですが、このキャラをこれ以上発展させるのは難しいのではないでしょうか。
シリーズ物としての「ボンド映画」はむしろ毎回入れ替わるアクの強い悪役や魅力的な脇役が「売り」であってボンドはその「引き立て役」みたいな位置づけになっていた方が長続きすると思っていますので、今回のようなアクの強い「ボンド」だといくら魅力的であってもキャラの強さ・濃さゆえ新作が出る毎に魅力を伸ばして行く、というのは難しいような気がします。毎回「行ったん負けてぼろぼろになるけど、最後に立ち直る」という成長ものみたいな展開にする、という手はあるのかもしれませんが、それじゃスポ根ものみたいだよなあ…。
ひょっとして製作側もあまり長期間ダニエル=クレイグで引っ張るつもりはなく、「クレイグ・ボンド三部作」といった風に、わりと話が連続・関連した作品を立て続けに撮るつもりなのかな、とも思いました。
まあ、これが今後どうシリーズとしてどう続くかは置いといて、単独の作品として観た場合、この「カジノ・ロワイヤル」はこれまでのボンド映画ファンも、これまで敬遠していた方にとっても面白いんではないかと思います。尤も、これまでのボンド映画のパターンを知っているからゆえ楽しめる、という要素があるので「これまで一作も観た事ない」という方にはちと辛いかもしれませんが、普通のアクションものとして捉えても結構楽しめると思いますので、機会があればぜひお試し下さい。
ちなみに、映画館に行ったのは結構久しぶり(9月に観たHollywoodland以来)だなあ、とこれを書いていて思いました…。ま、ちょぼちょぼと時間を見つけてはDVDで観ている(特に風邪ひきの最中)のですが。DVDで観た作品についてはおいおいまた。
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