The Two-Flag Slide
先日書きかけの感想エントリを失ってしまったと書いた"Beyond Bullet Points"であるが、著者のCliff Atkinsonには別途メールで感想を送ってあった。その返事に「ブログに使って良いか?」とあったので「どうぞ」と答えたところ、今日見たらほぼ全文がCliffのブログに掲載されていた。題して"Beyond the Japanese Bullet Train"。
ここでCliffのブログをちょっと補足すれば:
When I was asked to speak to a a group of Japanese college and graduate school students who were visiting Silicon Valley
とあるのはJTPAのシリコンバレーツアーではなく、その翌週に開催された鹿児島大学ベンチャービジネスラボラトリーのシリコンバレー訪問ツアーである。「セミナーを」と依頼されたので、自分が今日に至るまでの話をしつつ自分がシリコンバレーそしてベンチャーのどういったところに触発されたか、また初日の、一番最初のセミナーだったので「これからツアー中にどんな事を見て欲しいか」といった話をすることにしたのだが、そこで画面に映し出す資料にBeyond Bullet Pointsのアプローチを適用してみた、というのが背景である。
そのアプローチ、Beyond Bullet Points(ブレットポイントを越えて)のタイトルが示す通り、パワーポイントを「画面に映し出され、話し手に読み上げられる(そして聴衆の手元にそのまま配られる)報告書」作りの道具としてではなく、何かのアイディアを聴衆に訴えかける「物語」をビジュアルに伝える(あたかも映画のように)ためのメディアとして使おう、というものである。
同書ではプレゼンテーション作成を「映画製作」のアナロジーを用いている。まず始めに伝えたい「ストーリー」が作られ、そのストーリーを伝える「シナリオ」が書かれ、そしてパワーポイントを使ってそのシナリオの各シーン、カットが「撮影」されるのである。(「シナリオ」を書くためにCliffが作成したMSワードのテンプレートとその使い方も本書に書かれている。)
と、そんな本書を読んだ私も、この機会に画面に映し出されたものを読んだり、説明するという形の「情報を伝達するプレゼンテーション」ではなく、映画における「映像と音声」のように一体となって「物語を伝えるような」ものを目指したのである。1、2枚読み上げ型のスライド(誰かの発言の引用など)もあったが、それはそれで意図があったものであった。
一例をご紹介すれば、これは自分のバックグラウンドを説明するのに使ったスライドであるが、これを見せつつ「自分は人生の40%をアメリカで過ごして来ました」と言ったのである。(このスライドはCliffのブログにも掲載されている。)
次に「そして社会人生活の3分の2をアメリカで働いて来ました」と、(ここには載せないが)日米の旗の比率を変えた同じスライドを見せたのである。
とまあ、見る側からすれば「とんでもないアメリカかぶれ野郎」のプレゼンに思えた事であろうが、米国到着初日の、時差ぼけと戦いつつある参加者諸氏を眠らせずに済んだかな、と思う。その後聴衆の方から聴いたフィードバックも「独特で印象に残りました(特に上の国旗のスライド)」というものだったので初めてこのアプローチを使ったにしては上出来かな、と思っている。
"Beyond Bullet Points"のアプローチ、いかなアメリカとはいえ、全てのシーンで活用可能なものかどうかは個人的に疑問である。特に仕事の場で「報告」をする場合には聴衆によっては拒否反応を起こされる可能性もあるかな、と思う。(Cliffはそういった場合、「報告書は」手元資料を配ることを薦めてはいるが聴衆によってはそれでも前に同じものが映し出され、「説明」されないと納得しないだろう)
とはいうものの、「聴衆を引き込み、飽きさせない」プレゼンテーションをする上で本書のアプローチは有効なものだと思うのでこれからも機会を見つけては取り入れたいな、と思う。今回のプレゼンは読んだばかりのことを実践する良い「実験」であったと思う。(学生諸氏は「実験台」だったということになってしまうのでいささか失礼かな…。)
とまあ、そんなことをCliffにも書き送ったのである。
村山さんのセミナーで、聴衆のみなさんはstunnedという感じだったのかも知れませんね。その後を受けて、私たちはパネル形式で話をしましたが、みなさんが完全に復活したのはパネル終了後だったように思います(笑)。
Posted by: Akama | March 22, 2005 at 11:24 PM