「必要な人材」
梅田望夫さんの本日付けのblog「ソフトウェア開発の組織論を野球に学ぶ」の中の一節を読んで少し考えさせられた。
新しい時代には、オークランド・アスレチックスのGM、ビリー・ビーンが編み出したのと同じ意味での、自社にとっての必要人材をきちんと特定し得る「世の中の判断基準とは違った評価指標」が必要になってくるということなのである。そして、そこをきちんと見極めることができる会社が優位に立つ。
アメリカの企業でも「ウチの競争優位の源泉は人」と公言する企業は多いが、実際にはリップサービスに止まっている場合が多い。私がこれまで面接を受けた会社でもそう言っていたところは何軒かあったが、「じゃあどういう人を採用しているんだ」と聞くと「We only hire the best and brightest」といった程度の「答えになってない答え」が帰ってくるか、「○●の技能を持っていて、チームプレーヤーで、自分で自分の目標が設定できて(self-starter)で…」というどの企業でも言うような答えが返ってくる事が多かった。また、「walk the talk」していない企業も多かった。
本当に強い企業は「自社にとっての必要人材」というものを上のような「スキル」という観点で無く、「ビヘイビア」で規定しているのでは無いか、と思う。「ビヘイビア」で人を評価する、ということはこの場合「こういう環境に置かれたら、自社にとって望ましい行動を取るか?」という観点で人を見ることである。どんなに素晴らしい肩書きや学歴を持っていても、それが実際のビジネスにどう現れるか、またその現れ方が自社のビジネスにとり望ましいものでなければ、そういう人は採用すべきでは無いのである。
「他に類の無いカスタマーサービス」を競争優位の源泉とするサウスウェスト航空などは、そういう観点で人を採用し、また入ったあとも「望ましい」行動を取り続けるような、単なる金銭的インセンティブに止まらない様々な組織上の「仕掛け」を設けているように思える。あるいは、採用時の能力は無くても、「望ましいビヘイビアを取る潜在力のある人」を採用するか、そういうビヘイビアを取り続ける人のみが残るような仕組みを作っている企業もある。少し切り口は違うのだが、私のビジネススクール時代の恩師の一人であるCharles O'Reilly教授の著書ではそういう企業の事例を紹介している。
「ビヘイビア」を重視した人材獲得の重要性についての認識は高まっているようで、最近はロールプレイの要素を取り入れたsituational interviewというものを取り入れている企業が増えている(この記事、登録が必要かもしれない)。採用される側にとっては大変な世の中になったのかもしれないが、いやそうではない。むしろ、自分に「合わない」仕事かどうかが分かりやすくなったと思うべきなのだろう。
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